読者です 読者をやめる 読者になる 読者になる

ビジネス本は役に立つのか

養豚関連産業に従事している黒木です。

 

本屋に行くと、山ほどビジネス本があふれています。No.1営業マンが教える営業の極意、、○○○流経営術、、ロジカル○○などなど。うんざりするほどビジネス本や自己啓発本があふれていますが、これらは役に立つのでしょうか。

 

これらのビジネス本や自己啓発本が有用なら、全員がNo.1営業マンになるはずですが、そうはなっていません。なぜでしょうか。

 

これをすればNo.1になれる、というのですが、因果関係が明瞭でないケースもあるようです。こういうやり方でNo.1になったという成功体験(自慢話)ですが、どうも因果関係が不明です。同じプロセスをたどれば、東大卒でも中卒でも同様に成功できるはずなのですが、現実はそうなっていないようです。ある営業マンが成功したのは、たまたま新製品発売のタイミングであった、エリアがそれに適していた、前任者の数字が悪すぎたなど、多様な要因を検討すべきです。成功した理由を明らかにすれば、皆が真似できるはずですが、現実はそうなっていません。成功者が分析した成功の原因は本当にあっているのでしょうか。

 

成功原因の検証は非常に難しい作業です。個人のパーソナリティや、季節要因、新製品の発売時期など、多様な要因があり、特定は簡単ではありません。これを誰々が悪いなどと属人的要素に単純に還元してしまうような人もいますが、根拠が不明です。

 

ビジネス本が役に立つかわかりませんが、この格差社会をみる限り、それほど有効に機能しているようにみえません。私はこれらのビジネス本については、本屋で表紙だけを眺めるだけで、ほとんど目を通しません。トヨタの「改善」がそれほど有効なら、日産も真似してNo.1になれると思いますが、そうなっていないようです。

 

自分の頭で考えて、自分の身体で行動する、そのことが大切だと思います。

 

黒木

 

養豚産業の歪みはどこにあるか

養豚関連産業に従事している黒木です。

 

年の初めなので、ここ最近の業界の流れを自分の視点で記します。

 

投資用語でアービトラージ裁定取引)という専門用語があります。これは、たとえばAという株式が不当に安く取引されているときに、安く買って、値段が高くなった時に高く売るような取引を指します。本来、市場でAという株式は適正価格で取引されるはずですが、不当に高い、あるいは不当に安い値段がついていることがあります。この歪みをつくことで、安く買って高く売るという取引が可能になります。端的にいえばこれが儲けるコツであり、世界一の金持ちの一人であるアメリカのウォーレンバフェットが実施している投資法です。株であれ、不動産であれ、この「安く買って、高く売る」という真理は共通でしょう。最近でいえば、セドリといわれる行為もつまりこのことです。

 

ではこの業界の歪みはどこにあるでしょうか。ここ最近は、多産系の種豚の導入がトレンドです。年間離乳頭数が20頭+のところに、年30頭を超える離乳を行えるので、これは既存の養豚業にとって脅威です。逆に、多産系を導入した側からみれば、年30頭離乳できるのに、年20頭しか離乳できていない日本の養豚産業の歪みをついた戦略といえます。技術革新による歪みです。

 

少子高齢化という観点からみたらどうでしょう。かつて1万戸以上あった養豚農家は、現在5,000戸をきっています。しかし、母豚頭数は約90万頭と、この数十年間ほとんど変化がありません。後継者がおらず廃業していく農家をよそに、規模拡大をはかる農家や企業があるのです。これも、国産豚肉が要望されているのに、供給しきれていない歪みをついているといえるでしょう。以前このブログに書きましたが、企業養豚にばかり規模拡大をさせずに、志ある企業家が、廃業先の養豚場を買い取り、養豚業を続けていくのも、国産豚肉の需要と供給の歪みをつく戦略です。

 

ほかにもさまざまな歪みがあるでしょう。どこに歪みがあるのか、それはどこに商機があるのかという問いと同義です。人と同じことをやっていれば、人と同じ結果しかでません。人と異なる行動をすることで、人と異なる結果を手にします。しかし、単なる差別化では成功を保証されません。市場に放置された歪みを人より早くみつけ、解消すること、これを今年改めて心がけたいと思います。

 

黒木        

 

交渉事の進め方

養豚関連産業に従事している黒木です。

 

交渉事は1対1が基本です。たとえば取引先との交渉の場合、先方の上司や他部署の人間などがでてくる状況は、まず交渉事のクロージングにほど遠い状況でしょう。自分で判断できないため、様々な立場の人間に同席してもらっている状況はクロージングとはほど遠いと思われます。

 

そうであるのに、さまざまな関係者の数が多くなれば多くなるほど、交渉事が進んでいるかのようにふるまう、あるいは錯覚する人がいます。関係者の数が増えれば増えるほど、解決は遠のきます。交渉の対象者が、先方の様々な利害関係者を説得することができて初めて、交渉はクロージングに近づきます。その状況をつくれなければ、解決は遠のきます。

 

交通事故の示談を例にとれば、1対1で交渉していれば、スムーズに話し合いが行われる可能性が高いでしょう。しかし、ここに親や兄弟、友人など、双方にいろいろな人間が絡んでくるととたんに解決が難しくなります。何事も交渉事は1対1に持ち込まないと成立しづらいでしょう。

 

1対1になっていない状況であれば、まず1対1に持ち込むことがクロージングへの近道です。男女関係でも、みんなで遊んでいるうちは、恋愛関係に進みません。1対1にどう持ち込むか、大人力が試されるシチュエーションです。

 

黒木        

 

TPPと2国間協議

養豚関連産業に従事している黒木です。

 

日本国内ではTPPを推進するようですが、アメリカのトランプ新大統領はTPPに反対です。TPPが成立しなければ2国間協議になるだろうとの見通しがあります。これは養豚産業にとっていい話でしょうか、よくない話でしょうか。

 

2国間協議になった場合、日本は厳しい状況になるかもしれません。これまでは曲がりなりにもオーストラリアやニュージーランドなど、他の国を交えて協議してきたため、一国がゴリ押しできる状況ではなかったように思われます。しかし、アメリカと一対一の協議なるということは、圧倒的に強いジャイアンと密室で協議するということを意味します。これまで以上に、日本の養豚産業にとって厳しい状況になる可能性があります。

 

これまでこの業界ではTPP反対派が多かったかもしれません。しかし、今後は業界としてTPPに賛成・推進するのも戦略かもしれません。

 

黒木

会社になぜ広報の仕事が必要なのか

養豚関連産業に従事している黒木です。

 

それなりの規模の会社になると、会社に広報部(PR)があることも多いでしょう。広報部がなくても、会社には広報の仕事を担当している人がいます。今なら、プレスリリースの作成やホームページの作成・更新、メディアや顧客への各種情報提供など。最近では危機管理の対応などもあるでしょう。どれも大事な仕事です。

 

養豚産業の関連企業の場合、顧客や卸などに各種文書をFAXなどで流します。卸経由の場合、卸の社員が顧客にそのまま渡せるようにFaxの内容が構成されています。公式文書として、会社から発信されているわけです。

 

ところで、FAXの内容をメーカーの営業担当が卸社員にそのまま話すだけにして、FAXをやめてしまっても問題ないでしょうか。いちいちFAXを流す手間をかけるよりも楽な気がしますがどうでしょう。最近の事例でいえば、薬品会社の行政処分や欠品問題など、文書を出すケースがあります。最初こそFAXで公式文書を伝えることも必要ですが、その後は、定期的に現状を会社からFAXするよりも、メーカーの営業に内容を話して、そのまま卸社員や顧客に伝えてもらえばいいでしょうか。

 

私は会社から公式文書として出すこと、および定期的に情報を提供しつづけることが重要だと考えています。その理由は、会社からの公式文書は建て前だからです。FAXが建前であり、営業がそれを本音ベースでフォローする、そのようなダブルでの活動が有効でしょう。建て前というと聞こえがよくないようですが、言い換えれば理想のことです。本音とは現実のこと、つまり、理想と現実のダブルエンジンで動くのが組織だと思います。

 

謝罪広報の場合、メーカーからの定期的情報発信がなく、営業だけが謝罪し続けると、そのメーカーに対して不信感を抱きます。逆に営業が問題をスルーして、会社からのFAXだけであれば、営業に不信感を抱くでしょう。広報という建前と営業という本音、この二つの組み合わせが、企業に対する信用を構築すると思います。

 

会社として信頼できること、営業が信用できること、その両方があって、その会社の商品に信用が生まれます。営業に必要なのは、会社の建て前をしっかり伝えること、そして、本音でフォローすることでしょう。公式文書はたいてい内容がなく、きれいごとの世界です。しかし、そのきれいごとが次につながると思います。

 

黒木        

ニーズとシーズ

養豚関連産業に従事している黒木です。

 

この業界でも、各種商材の売り込みは盛んです。設備や飼料、薬などなど。新製品ともなれば、積極的な売り込みがあります。必要と思われるものは購入するでしょうが、不要なものまで購入する農家はほとんどないので、苦戦する営業も多いでしょう。

 

マーケティング用語でニーズとシーズという用語があります。ニーズは願望であり、よく知られています。シーズ(seeds)とは種の意味です。製品も初期段階ではシーズ中心の営業で十分です。たとえば、デジカメでいうと、100万画素から500万画素に解像度がアップすれば、大きな訴求ポイントになります。これがシーズといわれるスペック中心、製品ありきの営業です。

 

これに対し、ニーズとは、デジカメという製品ではなく、デジカメを通じて得られる思い出の画像や、その画像を共有したいという欲求です。一つ上の上位概念にあたります。ニーズが先行し、このニーズを満たすために、シーズが存在するというのが、基本的な考え方です。もっともこれについては、必ずしも順序通りではなく、たとえばテレビの発明以前は、テレビが欲しいというニーズは存在しなかったでしょうが、テレビという製品ができて始めてテレビが欲しいというニーズが出てくるわけです。そのようなケースもあるとはいえ、やはり基本的には、ニーズを満たすために製品を提供するという流れで整理しておけばいいと思います。

 

この業界では、まだまだ製品ありきのシーズ中心の営業スタイルが多いように思います。製品の初期段階では、それでも構わないでしょうが、これほど各種商材があふれている現状では、やはりシーズ中心の営業でなく、ニーズ中心の営業でないと響かないでしょう。ただ、これはすこぶる難しい。なぜなら、ニーズは顧客自身によって顕在化されていないこともあるし、なによりもやもやとあいまいなものだからです。

 

私はジャパネットたかたの通販番組をときどき見ています。デジカメやテレビ、電子辞書などどれもこれも古い製品群を販売しています。しかし、たとえばデジカメであれば、お孫さんの成長を写真に残すなど、具体的なシチュエーションを想定した宣伝で、気持ちにふれます。なおかつ、プリンターやメモリーカードなどをセットして販売することで、高齢の方はデジカメを印刷して、眺める、共有するというニーズをとらえています。どうということのない製品を新しい角度から照らすことで、顧客のニーズをとらえる手法は参考になります。押しつけがましいようで、そうでもない、つい見入ってしまいす。ニーズをとらえる営業の宝庫だと思います。

 

この業界も、シーズ中心の営業では限界があるでしょう。今後は、ニーズ中心の営業も考えておく必要があります。

 

黒木

老人と薬

養豚関連産業に従事している黒木です。

 

養豚と薬は切っても切れない関係です。豚は基本放し飼いされているわけではなく、豚舎というそこまで広くないスペースで生活しており、当然、各種病気のキャッチボールをする可能性が高いです。たとえば、満員電車にインフルエンザの患者が乗り込んで咳をすれば、他の人にうつる可能性が高いでしょう。環境的に疾病にかかりやすいといえます。そのため、予防的にワクチンを投与したり、抗生剤で治療したり、病原菌の蔓延を防ぐために消毒したりするわけです。

 

他方、養豚場の経営は経済活動です。ペットへの薬の投与と異なり、何でもかんでも薬を使用すれば、経営コストを圧迫します。一般に養豚経営にかかるコストの5%程度が薬品代といわれています。もっとも大きなコストがエサ代で、現在では60~70%程度、ほかに設備費や人件費がそれぞれ10~15%程度でしょうか。この養豚コストの制約のなかで、薬品代は豚1頭あたり1,500円程度が全国平均のようです。

 

もちろん、この1,500円という平均値はエリアによって異なり、たとえば疾病の少ない北海道・東北エリアでは1,000円程度で収まる農場もあるでしょうし、疾病の多い関東や南九州であれば、2,000円を超える農場もあるでしょう。また、新しい豚舎では病気が少ないでしょうし、古い豚舎では病気が多くなる可能性が高まります。そういう意味では、この平均値はあくまで一つの目安です。

 

一般論としては1,500円程度でおさめるべきであるといえますが、しかし、3,000円かかる農場があっても構わないと私は考えています。たとえコストがかかっても病気の対策をしたことで、出荷頭数が増えたり、事故率が減ったり、出荷日齢が縮んだりすれば、元は取れるでしょう。事故が多いが、薬剤コストの低い農場にするのか、薬剤コストが高くても事故の少ない農場にするのか、経営判断になります。

 

人間も老人になれば薬の使用量が増えます。これは自然なことです。同じように、豚舎も古くなれば、薬を多く使用して疾病コントロールすることも必要です。薬剤コストの平均値は正解ではなく、各農場の考える目標が正解となります。

       

黒木