読者です 読者をやめる 読者になる 読者になる

言葉にすること

養豚関連産業に従事している黒木です。

 

養豚場の仕事は肉体労働が中心です。何をどのようにすればいいのか、実際に体を動かし、説明することも多いでしょう。言葉で説明するのが難しい作業もあります。しかし、相手が理解できるように仕事内容を言語化することこそ、仕事の本質のように思います。

 

たとえば、右足を前に出す、次に左足を前に出す、また右足を前に出す、、という一連の作業は、要するに歩くということです。歩くという目的を言語にすることによって初めて、作業・行動の意味がわかります。意味が理解できればあとは簡単です。次からは「歩く」という指示を出せば済むわけです。そのように行動の意味を理解できた人間が、作業ではなく、仕事をする人でしょう。

 

呑み込みのいい人間やできるといわれる人は、このような言語化ができる人のように思います。養豚場の作業は労働ではありますが、同時に仕事ではないでしょうか。自分の作業を言葉にすること、それは仕事そのものだと思います。

 

黒木

原因を特定することの難しさ

養豚関連産業に従事している黒木です。

 

原因と結果を特定する因果論は非常に難しい論理です。科学の場合はまだしも、特に実際の社会生活は多様な要因が絡み合い、実験室の実験のようにはいきません。Aという現象とBという現象には因果関係があるかはわからないが、相関関係はある、程度の物言いになることがあります。

 

たとえば、1990年代に一時流行した「割れ窓理論」という説がありました。この理論は現在ほとんど使われることがなくなったのですが、その理由はこの理論が正しくなかったからといわれています。建物の窓が壊れているのを放置すると、誰も注意を払っていないという象徴になり、やがて他の窓もまもなく全て壊される、という考え方のもとに、軽微な犯罪も徹底的に取り締まることで、凶悪犯罪を含めた犯罪を抑止できるとする環境犯罪学上の理論です。

 

この理論が有名になったのは、1990年代にニューヨークのジュリアーニ市長が犯罪抑止策として、この理論をベースにして成功したからです。彼の政策はゼロ・トレランス(不寛容)」と名付けられおり、具体的には、警察に予算を重点配分し、警察職員を5,000人増員して街頭パトロールを強化するなど、軽微な犯罪の取り締まりに重点を置いたものです。その結果、N.Y.の治安が改善し、観光客が戻ったと(以上Wikipediaより)

 

しかし、この理論は現在では妥当でないといわれています。たとえば、同時期のアメリカの他の都市でも同様に治安が改善したことなどの反論があります。ではなぜ治安が改善したのか。理由の一つは、この間の出生率が減少したこと。人間の数が少なければ、犯罪の発生率も減少します。ほかには、景気が回復したことも挙げられています。景気が回復し、雇用が確保されれば、人は普通犯罪に走りません。このように、一つの社会現象には多様な要因が複雑に絡み合い、これが原因というふうに特定することは難しいのです。

 

仕事をする中で、原因の特定が簡単なケースもあります。たとえば、温度管理に失敗して、豚が死んだなどは明白な事例です。しかし、あるスタッフのパフォーマンスが別のスタッフより優れている理由は明白ではありません。季節的な偶然かもしれません。重要なことは、因果論にこだわりすぎず、どうすればベストパフォーマンスを出せるか、議論し、実践、検証するPDCAサイクルを回し続けることだと思います。

 

黒木

ビジネス本は役に立つのか

養豚関連産業に従事している黒木です。

 

本屋に行くと、山ほどビジネス本があふれています。No.1営業マンが教える営業の極意、、○○○流経営術、、ロジカル○○などなど。うんざりするほどビジネス本や自己啓発本があふれていますが、これらは役に立つのでしょうか。

 

これらのビジネス本や自己啓発本が有用なら、全員がNo.1営業マンになるはずですが、そうはなっていません。なぜでしょうか。

 

これをすればNo.1になれる、というのですが、因果関係が明瞭でないケースもあるようです。こういうやり方でNo.1になったという成功体験(自慢話)ですが、どうも因果関係が不明です。同じプロセスをたどれば、東大卒でも中卒でも同様に成功できるはずなのですが、現実はそうなっていないようです。ある営業マンが成功したのは、たまたま新製品発売のタイミングであった、エリアがそれに適していた、前任者の数字が悪すぎたなど、多様な要因を検討すべきです。成功した理由を明らかにすれば、皆が真似できるはずですが、現実はそうなっていません。成功者が分析した成功の原因は本当にあっているのでしょうか。

 

成功原因の検証は非常に難しい作業です。個人のパーソナリティや、季節要因、新製品の発売時期など、多様な要因があり、特定は簡単ではありません。これを誰々が悪いなどと属人的要素に単純に還元してしまうような人もいますが、根拠が不明です。

 

ビジネス本が役に立つかわかりませんが、この格差社会をみる限り、それほど有効に機能しているようにみえません。私はこれらのビジネス本については、本屋で表紙だけを眺めるだけで、ほとんど目を通しません。トヨタの「改善」がそれほど有効なら、日産も真似してNo.1になれると思いますが、そうなっていないようです。

 

自分の頭で考えて、自分の身体で行動する、そのことが大切だと思います。

 

黒木

 

養豚産業の歪みはどこにあるか

養豚関連産業に従事している黒木です。

 

年の初めなので、ここ最近の業界の流れを自分の視点で記します。

 

投資用語でアービトラージ裁定取引)という専門用語があります。これは、たとえばAという株式が不当に安く取引されているときに、安く買って、値段が高くなった時に高く売るような取引を指します。本来、市場でAという株式は適正価格で取引されるはずですが、不当に高い、あるいは不当に安い値段がついていることがあります。この歪みをつくことで、安く買って高く売るという取引が可能になります。端的にいえばこれが儲けるコツであり、世界一の金持ちの一人であるアメリカのウォーレンバフェットが実施している投資法です。株であれ、不動産であれ、この「安く買って、高く売る」という真理は共通でしょう。最近でいえば、セドリといわれる行為もつまりこのことです。

 

ではこの業界の歪みはどこにあるでしょうか。ここ最近は、多産系の種豚の導入がトレンドです。年間離乳頭数が20頭+のところに、年30頭を超える離乳を行えるので、これは既存の養豚業にとって脅威です。逆に、多産系を導入した側からみれば、年30頭離乳できるのに、年20頭しか離乳できていない日本の養豚産業の歪みをついた戦略といえます。技術革新による歪みです。

 

少子高齢化という観点からみたらどうでしょう。かつて1万戸以上あった養豚農家は、現在5,000戸をきっています。しかし、母豚頭数は約90万頭と、この数十年間ほとんど変化がありません。後継者がおらず廃業していく農家をよそに、規模拡大をはかる農家や企業があるのです。これも、国産豚肉が要望されているのに、供給しきれていない歪みをついているといえるでしょう。以前このブログに書きましたが、企業養豚にばかり規模拡大をさせずに、志ある企業家が、廃業先の養豚場を買い取り、養豚業を続けていくのも、国産豚肉の需要と供給の歪みをつく戦略です。

 

ほかにもさまざまな歪みがあるでしょう。どこに歪みがあるのか、それはどこに商機があるのかという問いと同義です。人と同じことをやっていれば、人と同じ結果しかでません。人と異なる行動をすることで、人と異なる結果を手にします。しかし、単なる差別化では成功を保証されません。市場に放置された歪みを人より早くみつけ、解消すること、これを今年改めて心がけたいと思います。

 

黒木        

 

交渉事の進め方

養豚関連産業に従事している黒木です。

 

交渉事は1対1が基本です。たとえば取引先との交渉の場合、先方の上司や他部署の人間などがでてくる状況は、まず交渉事のクロージングにほど遠い状況でしょう。自分で判断できないため、様々な立場の人間に同席してもらっている状況はクロージングとはほど遠いと思われます。

 

そうであるのに、さまざまな関係者の数が多くなれば多くなるほど、交渉事が進んでいるかのようにふるまう、あるいは錯覚する人がいます。関係者の数が増えれば増えるほど、解決は遠のきます。交渉の対象者が、先方の様々な利害関係者を説得することができて初めて、交渉はクロージングに近づきます。その状況をつくれなければ、解決は遠のきます。

 

交通事故の示談を例にとれば、1対1で交渉していれば、スムーズに話し合いが行われる可能性が高いでしょう。しかし、ここに親や兄弟、友人など、双方にいろいろな人間が絡んでくるととたんに解決が難しくなります。何事も交渉事は1対1に持ち込まないと成立しづらいでしょう。

 

1対1になっていない状況であれば、まず1対1に持ち込むことがクロージングへの近道です。男女関係でも、みんなで遊んでいるうちは、恋愛関係に進みません。1対1にどう持ち込むか、大人力が試されるシチュエーションです。

 

黒木        

 

TPPと2国間協議

養豚関連産業に従事している黒木です。

 

日本国内ではTPPを推進するようですが、アメリカのトランプ新大統領はTPPに反対です。TPPが成立しなければ2国間協議になるだろうとの見通しがあります。これは養豚産業にとっていい話でしょうか、よくない話でしょうか。

 

2国間協議になった場合、日本は厳しい状況になるかもしれません。これまでは曲がりなりにもオーストラリアやニュージーランドなど、他の国を交えて協議してきたため、一国がゴリ押しできる状況ではなかったように思われます。しかし、アメリカと一対一の協議なるということは、圧倒的に強いジャイアンと密室で協議するということを意味します。これまで以上に、日本の養豚産業にとって厳しい状況になる可能性があります。

 

これまでこの業界ではTPP反対派が多かったかもしれません。しかし、今後は業界としてTPPに賛成・推進するのも戦略かもしれません。

 

黒木

会社になぜ広報の仕事が必要なのか

養豚関連産業に従事している黒木です。

 

それなりの規模の会社になると、会社に広報部(PR)があることも多いでしょう。広報部がなくても、会社には広報の仕事を担当している人がいます。今なら、プレスリリースの作成やホームページの作成・更新、メディアや顧客への各種情報提供など。最近では危機管理の対応などもあるでしょう。どれも大事な仕事です。

 

養豚産業の関連企業の場合、顧客や卸などに各種文書をFAXなどで流します。卸経由の場合、卸の社員が顧客にそのまま渡せるようにFaxの内容が構成されています。公式文書として、会社から発信されているわけです。

 

ところで、FAXの内容をメーカーの営業担当が卸社員にそのまま話すだけにして、FAXをやめてしまっても問題ないでしょうか。いちいちFAXを流す手間をかけるよりも楽な気がしますがどうでしょう。最近の事例でいえば、薬品会社の行政処分や欠品問題など、文書を出すケースがあります。最初こそFAXで公式文書を伝えることも必要ですが、その後は、定期的に現状を会社からFAXするよりも、メーカーの営業に内容を話して、そのまま卸社員や顧客に伝えてもらえばいいでしょうか。

 

私は会社から公式文書として出すこと、および定期的に情報を提供しつづけることが重要だと考えています。その理由は、会社からの公式文書は建て前だからです。FAXが建前であり、営業がそれを本音ベースでフォローする、そのようなダブルでの活動が有効でしょう。建て前というと聞こえがよくないようですが、言い換えれば理想のことです。本音とは現実のこと、つまり、理想と現実のダブルエンジンで動くのが組織だと思います。

 

謝罪広報の場合、メーカーからの定期的情報発信がなく、営業だけが謝罪し続けると、そのメーカーに対して不信感を抱きます。逆に営業が問題をスルーして、会社からのFAXだけであれば、営業に不信感を抱くでしょう。広報という建前と営業という本音、この二つの組み合わせが、企業に対する信用を構築すると思います。

 

会社として信頼できること、営業が信用できること、その両方があって、その会社の商品に信用が生まれます。営業に必要なのは、会社の建て前をしっかり伝えること、そして、本音でフォローすることでしょう。公式文書はたいてい内容がなく、きれいごとの世界です。しかし、そのきれいごとが次につながると思います。

 

黒木