開業獣医にコンサルを依頼する理由

養豚関連産業に従事している黒木です。

 

養豚の世界で活躍する獣医師は各種組織に所属します。家畜保健衛生研究所や、企業養豚内獣医、製薬メーカーーや検査会社、飼料会社などさまざまです。他方、開業される獣医師もいます。このような開業獣医と農場が契約を結ぶ理由はいろいろあるようです。

 

まずは指示書を書いてもらうことがあります。要指示薬のような医薬品は、獣医による指示書なしでは購入できません。

それから、農場の成績を改善すること、農場の衛生レベルを一定に管理することも重要な仕事です。疾病コントロールの観点からみたピッグフローの構築、薬剤プログラムの決定、消毒の指導などなど。この部分がメインの仕事でしょう。

 

そして、農場にとってある意味もっとも価値のある点は、「言いにくいことを言ってくれること」ではないでしょうか。もちろん農場の経営者や場長であれば、スタッフに命令を下すことはできるし、そうすべきでしょう。しかし、白黒はっきりしていることなら問題はまったくないですが、場長が判断を下すような場合、グレーのケースが多いかと思います。このワクチンを採用すれば作業の手間が増える、、念入りに消毒すべきだが、そんなことをしていたら、作業が遅れてしまう、、。このような場合に獣医の口から話をさせられれば、場長の精神的負担が減ります。

 

消毒をしましょう、清掃をしましょう、これらは正論です。しかし、正論だけだと組織はギスギスします。憎まれ役を引き受けるのも場長の仕事ですが、一人の人間が善玉と悪玉を演じるのは少し負担になります。少なくとも、衛生管理の部分については、獣医に悪役をアウトソースするのもありではないでしょうか。またそのような役割を獣医の先生が引き受けることも、コンサルティングの仕事のように思います。

 

 

黒木