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メーカーの悪と悪いメーカー

養豚関連産業に従事している黒木です。

 

最近、薬の欠品が多いようです。また、欠品が多いだけでなく、欠品期間も長くなっているように感じます。生産者サイドにとっては大変な迷惑を蒙ることになり、できるだけ早く欠品を解消するように努力するべきであるのは当然です。とりわけワクチンのような定期的に使用する製品については、安定供給が前提ですので、一刻も早い解決が求められます。

 

欠品にはさまざまな理由があるでしょう。大量注文による品薄状態や、他メーカーの欠品や販売中止による影響、薬の検定落ち、行政による指導などなど。薬品メーカーにはさまざまな欠品リスクがあります。といって、在庫を過剰に持てば、廃棄リスクが高まるだけで、悩ましいところです。とはいえ、徹底的に欠品を避けようと思えば、在庫を多く抱えればいいのであり、そのコストを価格に転嫁できればいいのです。しかし、これは生産者になかなか受け入れられないでしょう。

 

農家の中には、税金対策も兼ねて、数か月分~1年分まとめ買いする養豚場もあります。メーカー在庫に頼るのでなく、自農場で在庫を抱え、対策するのです。また薬品卸の中には、リスクをとって在庫を抱えるところもあるようです。メーカー、卸、農家、三者三様対策を進める時代かもしれません。

 

欠品はメーカーの悪の要素です。これをできるだけ避ける努力をすべきです。しかし、メーカーにとって本当の悪は欠品をすることでなく、新製品を出さないことではないでしょうか。代替品のない製品の欠品はともかく、欠品をすることよりもより重大な悪は、新製品をださないことだと思います。メーカーの存在理由は新製品を出し続けることにつきます。たとえ欠品を出していても、画期的な新製品を出せば、業界に貢献することになるのです。新製品を出し続けられないメーカー、これが“悪い”メーカーかもしれません。

 

「欠品するメーカー」の反対語は、「欠品しないメーカー」ではないように思います。「欠品するメーカー」の対義語は、「新製品を出し続けるメーカー」ではないでしょうか。欠品という悪はこの世から排除しきれないでしょう。悪の要素を薄めるには、画期的な新製品を出すという善で対抗すべきです。

 

黒木