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生産者の視点、獣医師の視点

養豚関連産業に従事している黒木です。

 

この業界では、生産者と獣医師は協業して関係を築いていきます。いい豚をより多く出荷するために生産者は注力し、獣医師は疾病のコントロールの観点からサポートします。経営者兼獣医師という生産者もいますが、多くは分業しています。あるいは、獣医師の資格を持つ経営者もいますが、あえて獣医師を雇う社長もいます。最新の情報の入手や業界情報に通じるためには、専門の獣医を雇ったほうが効率がいいのでしょう。

 

しかし、生産者と獣医師では豚をみる視点が異なっていると、聞いたことがあります。獣医の盲点は病気の豚を中心に見ているために、健康な豚、いい豚というものを見慣れていないというものです。

 

この指摘は的を得ているところがありそうです。コンサル獣医師であれば、農場の衛生状態や豚の衛生状態に気を使うことから、健康な豚もみているでしょう。しかしながら、たとえば家保の獣医は病気の豚をみることがメインになる可能性が高いでしょう。病気の豚ばかり見続けることの難点は、健康な豚、いい豚がどのようなものか、そういう思考や経験を持ちづらいというものです。

この偏りを調整するために、生産者にお願いして、健康な豚を積極的に観察する機会を設ける獣医もいるでしょう。大事なことだと思います。

 

骨董の世界では、審美眼を養うために、いいものを見せ続けるそうです。本物を見続けることで、偽物がわかるようになるのであり、偽物を見続けても本物はわからないようです。病気をみるとともに、健康をみること、複眼思考が獣医師には求められていくように思います。

 

黒木