販売代理店は顧客か

養豚関連産業に従事している黒木です。

 

メーカーが末端顧客への販売業務を代理店に委託するとき、メーカーにとって代理店は顧客でしょうか、ビジネスパートナーでしょうか。

 

販売代理店を顧客とみなす人もいます。代理店が顧客かどうかは、代理店の末端顧客への力関係で決まるように思います。末端顧客への影響力が強く、メーカーが代理店にのみ営業活動をかければ取引が成立する場合、代理店は顧客そのものといっていいでしょう。逆に、代理店にそこまでの力がないとき、代理店は顧客であるとは考えないほうがメーカーと代理店の関係性をよく理解できるように思います。代理店の管理さえしていれば、末端の顧客を管理する必要はないのであれば、話は単純です。しかし、現実的にはメーカーが末端顧客に介入するケースが多いでしょう。その意味では、代理店は顧客ではなく、ビジネスパートナーと考えた方がわかりやすいです。

 

卸のことを、かつて特約店という呼び名で呼んでいた時代もあります。これはある特定のメーカーの製品を扱う卸を指しており、家電でいうとPanasonicの販売店のようなものです。Panasonicの製品のみを扱う卸ですが、このような特約店はこの業界にはほぼ存在しないでしょう。あらゆるメーカーの製品を扱うのが現在の卸問屋です。

 

このように考えてくると、卸(販売代理店)というのは、メーカーにとって顧客とは言いづらいし、特約店でもないということになります。やはりビジネスパートナーと考えるのが妥当であり、製品決定権を持つ顧客とは異なります。メーカーと卸問屋の関係は、健全にけん制しあうのが妥当でしょう。メーカーもメーカー間で競争しあい、卸も卸間で競争しあう。結果として、末端顧客にベストな製品を、納得いく価格で提供できているように思います。

 

黒木