営業力は売り上げか?

養豚関連産業に従事している黒木です。

 

書店に行くと、NO.1営業が教える●●●●という本があります。手を変え品を変え、この手の本は出版されていますが、このような本は役に立つのでしょうか。

 

この手の本を読んで、NO.1になれるのであれば、世の中のほとんどの人がNO.1になっているはずですが、実際はそうなっていません。この種の成功事例は、再現性の低い個人の成功事例だったりするケースが多いのかもしれません。あるいは、皆が真似すれば、成功事例はたちまち陳腐化します。皆が同じことをすれば、No.1にはなれないという根本的な矛盾を抱えているのです。人によっては、この種の本を単なる過去の自慢話と捉える人もいるでしょう。

 

そもそも営業力とは何でしょうか。売上No.1がイコール営業力の高い人でしょうか。

 

売上とは客観的な指標のように見えて、実態は極めて不透明な物差しです。モノやサービスが売れるのは営業力か、製品力か、好景気だったからか、ライバル会社が失速したからか、メディアで取り上げられたからか、地域性か、、果たして特定できるのでしょうか。モノが売れるという事象は、様々な要因が複雑に絡みあっており、たとえば営業力と製品力を明確に分けることなどできないでしょう。営業力や製品力をあたかも独立した指標のように考える人もいますが、どのように分割することができるのでしょうか。我々がモノを買うとき、それは総合的判断として買っているのであって、何か一つだけの要因に依存しているわけではないと思われます。

 

また、No.1営業には会社も最大限のサポートを与えるでしょう。その人を、より売上の高いエリアへ異動させるかもしれません。社内営業も営業力といえばその通りですが、それはいわゆる上司にこびへつらう営業かもしれません。この場合、営業力は売上げというより、社内営業力と同義です。売上を営業力の物差しにする難しさは、スタート地点がバラバラだからです。同じスタート地点から、よーいドンで、売り上げを競い合っているわけではないのです。

 

では営業力とは何でしょうか。私は営業力とは集客力だと考えています。たとえばセミナーを開いたときに何人が来てくれるか、会社を辞めた時、誰がついてきてくれるか、会社の看板がなくなってもお客さんは自分から商品を買ってくれるか、、これが営業力ではないでしょうか。他の様々な要因を取っ払ったときに残るもの、それが営業力だと思います。営業力とはある意味、人間力でしょう。そうであるなら、何も営業だけが営業力があるわけでなく、購買も、人事も、事務や経理にも、営業力が問われる局面があるかもしれません。

 

黒木