パワーポイントと顧客志向

養豚関連産業に従事している黒木です。

 

最近では、養豚場のスタッフでも、パワーポイントなどのプレゼンテーションツールを使った発表の機会などあるかもしれません。慣れないと大変ですが、これ自体は非常に便利なツールです。しかし、作り手側にとっては大いにメリットがありますが、受け手にとってはどの程度メリットがあるでしょうか。それ以前にこのツールはそれほど有用なものでしょうか。

 

パワーポイントの便利な点は、一度資料を作ってしまえば、何度でも使いまわせることです。そのため、一から資料を作る必要は少なく、作り手にはありがたいのです。しかし、受け手にとっては、どうでしょうか。たいていのプレゼン資料は内容を詰め込みすぎで、聞き手にとっては内容を簡単に理解しやすいとはいいがたいです。「重要な点が3点あります、、」などというプレゼンをよく見かけますが、そもそも3点も頭に入ってきません。大抵、一つぐらいしか頭に残りません。

 

パワーポイントは内容が多くなりがちです、、他の人の表現を借りれば、インフレを起こしている状態です。なぜこのようになるかといえば、パワーポイントは1枚にかなりの情報量を詰め込めるからです。これが学校の授業であれば、発表する側は黒板に文字を書く必要があり、限られた情報しか伝達できません。それに対しパワーポイントは、文字を書くスピードを考える必要がなく、次のスライドに切り替えるだけで済んでしまうので、聞き手の理解のスピードを無視して、先に進めます。しかし、その内容は伝わるでしょうか。

 

コミュニケーションの手段として、パワーポイントが特に優れていると私には思えません。学生時代のように、黒板に書くほうが、聞き手が理解しやすい場合もあると思います。その理由は、黒板に書くという制約のため、情報量が限定されるからです。が、そのほうが私は理解しやすいです。大量の情報より、限定された情報のほうが理解されやすいし、顧客志向だと思います。

 

黒木