企業養豚攻略法

養豚関連産業に従事している黒木です。

 

養豚業は中小養豚場から大手ハムソーメーカーにいたるまで、その規模はさまざまです。中小の養豚場では家族経営も多く、購買の意思決定もその場で決まるケースも多いでしょう。オーナー社長がその場でスピーディーに買うか買わないか決めていく、スピード感が持ち味です。製品の良さや価格だけでなく、営業マンの人柄も重要な購入要因になります。

 

それに対して、企業養豚の購買プロセスは異なります。人間関係も最初のとっかかりとしては大切ですが、主に費用対効果を重視するでしょう。企業養豚において、社長が購買プロセスに携わるより、生産部長などの管理職が担当者であるケースが多いと思われます。であれば、企業養豚への営業においては、購買担当者が決済承認者の承認を得やすいように書類などを整えていくことが大事になってきます。内容ももちろん、形式面を整えることです。形式を整えるとは、OKしやすいように建て前をしっかり作り込むということだと思います。

 

企業養豚では、書類ベースで提案書や試験計画案などをわかりやすくまとめることが重要です。決済承認のプロセスを常に意識して、皆がハンコをおしやすいようにまとめるのが営業担当の手腕でしょう。

 

100の養豚場があれば、その性格もさまざまです。この方法で必ずうまくいくなどということはまずないのでしょう。

 

 

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会社とはどのような生き物か

養豚関連産業に従事している黒木です。

 

養豚場には、企業養豚もあれば、家族経営の養豚場もあります。規模の大小は、組織形態に大いに影響を与えます。家族経営の養豚場が大きくなったものが企業養豚、では決してないと私は考えています。企業養豚とはいかなる存在でしょうか。

 

企業は法人とも呼ばれます。法人とは組織という抽象的な存在を人間に模したものですが、法人は個人の感情とは異なる生命を持った生き物だと思います。根本的に、会社は会社を守るために存在しており、会社員を守ってくれるわけではないでしょう。リストラという新陳代謝を実行できるのは、会社が会社員のために存在しているわけではなく、会社のために存在しているからだと思います。

 

別の見方をすると、会社とは警察組織ではなく、公安警察だと思います。何か悪いことをした人を取り締まるのが警察だとすれば、公安は悪いことをしそうな人を取り締まる組織です。会社では、あからさまな横領でもしない限り、誰かを首にすることは難しいと思われます。しかし、この人を首にしようとターゲットを決めたときにあらさがしをする生き物だということです。

 

このような見方からすると、会社との付き合い方も変わってくるでしょう。いつリストラされるか、びくびくする必要はないからです。パフォーマンスの悪い人間をリストラするのでなく、組織にふさわしくない社員をクビにするのが会社という組織だからです。なので、会社とは堂々と渡り合えばいいのです。何をしていようがしていまいが、首にされるときは首になるのが会社組織というものですから。

 

適度な距離感を持って会社と付き合うのが賢いやり方だと思います。

 

 

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厚い福利厚生は社員を幸福にするか

養豚関連産業に従事している黒木です。

 

養豚業界での福利厚生は社会保険料や退職金制度など、通常のパッケージでカバーされるケースが多いでしょう。手厚い養豚場では、寮や住宅補助、食費補助などもあるところもあるかもしれません。給与が同じであれば福利厚生は厚いほうがいいと思いますが、どうでしょうか。

 

福利厚生を含め、すべてを給与としてまるっと渡した場合、制度がシンプルなのはいいのですが、税金が高くなります。これに対し、給与の代わりに住宅補助として提供した場合などは、経費扱いとなることがあります。これにより節税効果が高くなり、従業員の持ち分が増え、満足度が高まります。福利厚生を充実させることのいい点です。ただし、その分会社からは住居について、場所や予算など一定の制約を受けることになるでしょう。

 

他方、厚すぎる福利厚生は、転職の際に大きなブレーキとなるでしょう。会社側からすれば、社員を転職から踏みとどまらせるいい手段になるかもしれませんが、人材の活発な流通という意味では、停滞します。人はすでに持っている権利や権益を手放す際には、大きな抵抗を感じるようです。しかし、それによって新しいチャレンジを踏みとどまることは本末転倒のような気がします。

 

時に損切りする勇気も必要です。自身の目標やゴールをしっかりと見定め、場合によっては福利厚生と縁をきることも、大切だと思います。

 

 

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残業を撲滅するには

養豚関連産業に従事している黒木です。

 

養豚業においては、過剰な残業は多くないかもしれません。9時~17時など、労働時間がはっきり決まっており、また、トラブルなどでもない限り、そのまま帰宅できることが多いように思います。

 

オフィス勤めの会社では、残業を減らすために、ノー残業デーを設定したり、夜9時以降に電源を落とし、強制的に帰宅させるような企業もあるようです。このような試みは大いに推奨されるべきでしょう。

                

ただ、ノー残業デーを設けても、その他の日に業務負荷がかかれば、あまり意味はないかもしれません。また、21時に消灯しても、自宅で持ち帰って仕事をすればあまり意味はないでしょう。オフィスワークでの残業防止策としては、メールサーバーの停止も有効な手段だと思います。現代の仕事はほとんどがメールやwebで行われます。このインフラを断ち切ることで、残業ができない状況を作り上げるのです。

 

ホリエモンは、現代の仕事上のコミュニケーションは電話ではなく、メールやチャットでするべきだと述べ、少し騒動になったようです。たとえ隣の席の人に相談する場合でも話しかけるのでなく、メールを出すべきという意見もあります。時間の有効活用という意味合いだと思いますが、であれば、現代のライフラインであるメールサーバーを断絶することで、業務をできなくしてしまうのは有効な手段かもしれません。

 

養豚産業ではあまりなじみがないかもしれない残業ですが、一般に大きな問題になっています。残業などしなくてすむように、効率的な業務遂行を実施したいと思います。

 

 

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養豚と旅

養豚関連産業に従事している黒木です。

 

養豚業は地場産業の側面が強いといえます。複数の土地に養豚場を所有している経営者もいますが、多くの場合、地元で経営することが多いでしょう。地元で仕事をするため、出張や視察などで県外や海外に行く機会は、どちらかといえば多くないかもしれません。ましてや、プライベートでの旅行などは、なかなか行く機会がないようです。

 

知らない土地や海外に旅することは、自身の見聞や経験を広げたり、深めたりするのに役立ちます。養豚場ではどんなにもっともらしいことを言っていても、海外のホテルでオタオタする人もいるでしょう。海外のゲストが来た時に、臆することなく、対応できる人物であってこそ、TPPやEPA(日本と欧州連合(EU)の経済連携協定)で、相手と堂々と渡り合うことができると思います。

 

英語ができる/できないというより、異文化経験をこなすほうがより重要です。他県や海外の同業者と話すときでも、相手を知っていることはメリットになります。

 

年齢とともに保守的になりがちですが、旅に出ることは自分の可能性を広げてくれます。この夏は有給休暇を取得して、旅先でいろいろな経験をすることをお勧めします。また、そのような申し出を快く受け入れる養豚場であってほしいと思います。

 

 

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会議の作法

養豚関連産業に従事している黒木です。

 

規模の大小はあっても、養豚場でも会議は行われるでしょう。定期的な会議もあれば、突発的な会議もあります。作業の改善事例や、成功事例のシェアなど、いろいろな会議が開かれます。養豚場ではいつも肉体労働しているだけではなく、当然、会議において各種議題を議論します。

 

誰もが自由に発言できる会議もあれば、何かいうと否定されたり、不穏当なことをいわないようにさせようとする上司もいるでしょう。フラットで自由な議論の場でなく、無言の同調圧力が支配している会議空間もあるでしょう。このような会議を生み出しているのは、もちろん、働きづらい職場環境です。会議以前に重苦しい職場を何とかすべきです。重苦しい職場から重苦しい会議が生まれます。

 

また、会議は本音をぶつけ合う場でもないでしょう。本能に基づいて本音をぶつけ合えば、仕事はできるだけしたくない、もっと給料が欲しい、なるべく面倒なことはしたくない、、などの気持ちが出ることになるかもしれません。会議とは、本質的に建て前を議論しあう場だと思います。建て前とは理念、理想のこと。どのような職場にしたいか、従業員満足度を高めるために何をすべきか、より儲けるためには何をすべきか、そのような理念を議論する場です。

 

議論された理想に基づいて、次にどのように実現できるか、そのプロセスを検討します。理想実現の手順は一見難しそうに思えますが、本当に難しいのは理念をつくることだと思います。自分の養豚場が何を目指すのかを言語化でき、視覚化できれば、実現のプロセスというものはそれほど難しくないのではないでしょうか。

 

理念を磨くのは知性と感性だと思います。そのためには、さまざまな本を読んだり、経験を積むことも必要でしょう。建て前は本能とは異なり、後天的に磨くことができるのです。建て前を議論できる養豚場は、いい職場のように思えます。

 

 

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PRRSとの距離感

養豚関連産業に従事している黒木です。

 

養豚場の疾病の中で、ずっと問題になっている疾病の一つは、PRRSでしょう。豚繁殖・呼吸障害症候群(Porcine reproductive and respiratory syndrome:PRRS)といわれ、主に繁殖障害や肥育での呼吸器障害(ヘコヘコ病)が症状です。しかし、最大の問題は、疾病と戦うマクロファージという免役機関をダメにし、他の疾病との複合感染を誘発する病気のもとになる点でしょう。

 

この病ついてはさまざまな獣医や研究機関が研究しており、未だに解明されない部分も多い疾病です。株が変異するという特徴を持ち、対策が難しい疾病の一つです。

 

PRRS対策としては、馴致をしたり、ワクチンを母豚や子豚に使用したり、しっかり消毒する、バイオセキュリティを強化するなどさまざまありますが、これさえしておけばという方法が現時点で確率していないようです。

 

現時点でできる上記の様々な対策も重要ですが、あまり神経質にならないことも必要かもしれません。PRRS陰性化を実現したとしても、バイオセキュリティなどに投資しすぎて、倒産したのでは本末転倒です。PRRSは陰性になっても、また何かのきっかけで陽性になることもあるようです。PRRS陰性化が農場の目的でなく、儲けを出すことが養豚場の目的だと思います。

 

PRRS対策のためには、むしろ他の疾病対策のほうが先かもしれません。サーコやマイコは各メーカーからワクチンがでており、一定の効果を期待できるようです。複合感染のもとになるこれらの免疫疾患系の疾病をコントロールすることで、PRRSの動きをコントロールできれば、まずは第一段階の対策として有効でしょう。

 

PRRS対策そのものも重要ですが、同時にPRRS以外の疾病をコントロールすることも有効だと思われます。

 

 

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