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豚肉の輸出は可能か

養豚関連産業に従事している黒木です。

 

TPP環太平洋戦略的経済連携協定)を踏まえて、豚肉の輸入だけでなく、輸出という話題がでてきました。ざっくりいえば、TPPとは関税の撤廃による同盟国間の貿易活性化のこと。この業界に引き付けていえば、もちろんメインは安い豚肉が入ってくる危機感という反応でしょう。

 

いかに日本の養豚を守るか、でなく、日本の養豚をどのように攻めていくか、これが豚肉の輸出戦略です。では、この作戦は成功するでしょうか。

 

和牛はブランドとして、知名度があります。これは日本固有の牛に由来するブランディングの成功という側面が大きいと思います。翻って、“和豚”はどうでしょうか。豚は牛と異なり、輸入物の種豚をベースにした産業です。かつ、豚のエサであるトウモロコシなどは、輸入物です。日本の要素がほとんどないのです。肉豚の元である親豚が外国産であること、また、そのエサがほとんど輸入物であること、これらを考えると和牛と同じ戦略をとることが可能であるとは思えません。

 

では生産者はどうでしょうか。“日本人が育てた豚”というブランディングができればいいですが、この業界、国際化が進んでおり、アジア各国の作業員が養豚を担っていたりします。日本の要素が必ずしもない状況です。

 

私は日本産の豚肉の輸出は難しいと思っています。日本特有の豚の品種でもなく、日本特有のエサでもない。育てているのは日本人だけでなく、アジア圏からの労働者。。アメリカに比べ、2倍程度の生産費用がかかる日本。。

 

豚肉に関しては、輸出は難しいかもしれません。むしろ、国内消費の拡大を目指すほうが活路がありそうです。Cookpadと豚肉のレシピを共同開発して、豚肉需要を喚起する作戦もありでしょう。鶏肉や牛肉との競争だけでなく、魚料理との戦いにも勝てるようなレシピの開発が、今後の養豚産業の戦略かもしれません。本当の脅威はTPPでなく、人口減少による消費減にあるような気がします。

 

黒木