決断力の鍛え方

養豚関連産業に従事している黒木です。

 

決断力のある人、ない人ということが言われます。実際、決断のスピードが早い人というのはいます。決断力がないよりはあるほうがいろいろな局面で有利かもしれません。では、決断力というのは鍛えられるものでしょうか。

 

決断の早い人というのは、単に、決断のルールを決めている人だという人がいます。たとえば、迷ったら、最初に直感で選んだ方にする、など。大したルールでなくとも、マイルールが決まっていれば簡単に決断できます。また、なかなか決めれれなければ、3日間決断を先延ばしにする、というのも決断です。

 

片づけの世界でいう断捨離などという言葉はまさにこの決断力のトレーニング方法のことだと思われます。捨てるか、残すか、保留するか、とはつまり、イエスかノーか、それ以外の3択なので、これはまさにマイルールです。これなら簡単に決断できます。

 

決断力とは、決断するルールを決めることに帰結するので、実はそんなに難しい話ではないと思います。はたから見ると、決断力のある人というのは頼もしく映るかもしれませんが、単にマイルールに則って仕訳しているだけかもしれません。

 

決断力は鍛えることができると思っています。

 

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ベストパフォーマンスはベストチームから

養豚関連産業に従事している黒木です。

 

青山学院大学は駅伝で史上初の3連覇を成し遂げています。原監督の指導が素晴らしいのですが、彼の何が優れているのか、そのことは養豚業ではどのように生かすことができるでしょうか。

 

そもそも大学生の運動能力に大きな差はないようです。陸上でいうウサインボルトのようなスーパースターが何人もいる世界ではないでしょう。よくも悪くも同じレベルの資質の選手達。だからこそ青学以前では3連覇できた大学はなく、それゆえ誰が勝ってもおかしくないから、駅伝があんなに盛り上がるのでしょう。

 

こういう状況下で、原監督は企業での管理方法を学生に活用し、成功したといわれています。いろいろな指導があるようですが、根本にあるのは精神論だと思います。運動能力が同じなら、精神力で上回ったほうが勝つ、ということでしょう。そのため、学生とさまざまな話をして、心の向上に努める。その結果、学生との間に信頼関係ができて、勝負に勝てる人材になっていく。

 

養豚産業における人材も、スーパースターがごろごろいるわけではないでしょう。条件は同じです。であれば、経営陣とスタッフの間の信頼関係が案外重要な成功要因になるように感じます。もちろん、経営のうまい下手はあるでしょう。多産系の導入やらリキッドフィーディングの活用などもパフォーマンスに大きく影響を与えます。しかし、最後の決め手は精神論なのかもしれません。場長とスタッフの間や、スタッフ間での信頼関係が確立されていれば、ベストパフォーマンスを生み出せます。

 

ベストパフォーマンスはベストチームから生まれる、そう思います。

 

 

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預託で儲かる人

養豚関連産業に従事している黒木です。

 

養豚場の一貫経営をやめ、預託経営に切り替える経営者がいます。それまでの繁殖舎+離乳舎+肥育舎の3ステージをやめ、外部から子豚を導入して肥育のみ担当することです。大手農場などから子豚を導入して、肥育のみを担当するので、一貫経営のときにある分娩率の上下や疾病リスクなどのさまざまなリスクをある程度コントロールできるのがメリットです。その代り、収益はそこまで上がらないでしょう。

 

一貫経営がうまくいかないため、預託に切り替えるパターンが多いかもしれませんが、簡単ではなさそうです。預託で成功する人とそうでない人ははっきりしているとの見解を持っている人もいます。預託で成功する人は、、一貫経営で成功していた人だとの見方です。豚の飼育スペースをしっかり取り、ゆったり飼うような預託農家は、預託先として成功します。逆に、ぎゅうぎゅうに豚を飼い、収入を得ようとするようなやり方では、肺炎なども多発し、うまくいかないこともあるようです。

 

お金に余裕があれば、豚の飼育にも余裕ができます。お金に余裕がなければ、余裕をもって豚を飼うこともできません。預託に切り替えるのであれば、ゆったりと豚を飼育する環境を心がけることが重要なようです。

 

 

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クレームの上手な入れ方

養豚関連産業に従事している黒木です。

 

養豚場にはさまざまな業者が出入りしています。飼料会社や、種豚会社、器材会社、薬剤メーカーなどなど。関連産業を含めると、それなりの規模の業界です。

 

業者と付き合う中で、不満や怒りを感じることもあるでしょう。明らかに不手際の場合もあればグレーゾーンのこともあります。言いがかりの場合すらあるかもしれません。いずれにせよ養豚場は客という立場であり、出入り業者にクレームを出せる立場にあります。

 

世の中にはクレームを上手に入れられる人とそうでない人がいるようです。これは養豚業に限らないでしょうが、クレームを入れるのが上手な人というのは、コミュニケーション上手です。たとえばこのような人が場長であれば、働きやすい職場になるでしょう。

 

クレームが上手な人は、非常に速い段階で(あるいはその場で)、何が不満でどうして欲しいのか、具体的に伝えてきます。感情を抑え、真剣な表情で伝えることも重要です。感情をぶつけ、怒鳴り散らすことは相手に恐怖感と反発を与えるものです。クレームの怖いところは、クレームの解消が目的のはずなのに、自身の感情をぶつけることにすり替わりがちだという点です。

 

また、担当者に直接伝えることも、当たり前ですが大切です。担当者の上司と面識がある、あるいは仲がいいという理由で、担当者を通り越して、その上司にクレームを入れる行為は、担当者のメンツをつぶす行為になります。まずは担当者に直接伝え、それでも改善しなければ、その上司に伝えることが組織人としてのたしなみでしょう。相手の立場を考え、クレームを伝えることは、結果として、クレームの解消に役立ちます。

 

クレームを入れることは必ずしも悪ではありません。雨降って地固まるという言葉もありますが、クレームを通じて、関係が強化されることもあるでしょう。しかし、これはなかなか難しいことです。そもそもコミュニケーションがうまくとれていないから、クレームが発生するわけですから。

 

クレームは適切に伝え、相手との関係改善をはかる手段として理解しておきたいものです。

 

 

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カイゼンの倫理

養豚関連産業に従事している黒木です。

 

カイゼンといえば、トヨタが一躍有名にした生産方式で、徹底的に無駄を省く生産プロセスのことです。今では海外でも「Kaizen」として通用することもあるようです。

 

この業界でも、業務効率化をカイゼンとして取り組む農場もあるようです。というより、ほとんどの農場でカイゼンは日々行われているでしょう。

 

農場内でのカイゼンは大いにすべきですが、外部の取引先に対して、カイゼンを要求するのはどうでしょうか。顧客として、取引先にサービス向上を要求するのは当然でしょう。しかし、度を越えた要求は恨み・辛みを買うだけになる可能性があります。自らが管理できる部分についてカイゼンするのは大いに結構ですが、外部に対して、過剰にカイゼンを要求するのは、ある程度自制する必要があるかもしれません。

 

たとえばAmazonヤマト運輸に対してカイゼンを求めるということは、すなわち圧倒的に強い立場の顧客が取引先にサービス向上を求めるということです。お互いが共存できるように協力しあうことも重要でしょう。カイゼンの論理は社内に適用すべきであり、社外にはカイゼンの倫理で対応するやさしさがあってもいいと思います。

 

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儲けどころ

養豚関連産業に従事している黒木です。

 

養豚農家の収入源は豚を出荷することで得られます。豚に飼料を与え、大きくして出荷して収入を得ます。しかし、それ以外にもさまざまな収入が可能です。肉の販売やレストランなどを除いてもさまざまな収入の手段があります。

 

たとえば講演会の講師の依頼を受ければ、謝礼が発生します。獣医師や生産農家含め、講演料がなかなかの収入源になっている方もいるでしょう。ほかに、雑誌など各種媒体での原稿料などもあります。さらに、本を出版すれば、印税収入も入ります。ブログなども、人気が出ればいい広告収入になりそうです。

 

農場を研修施設として提供した場合、研修費用という形の収入源もあるでしょう。養豚関連産業の新人や大学生の実習、製薬会社や飼料メーカーなどの研修施設として、機能するケースもあります。研修用のビデオ撮影会場として養豚場を提供できれば、これも収入源になるでしょう。

 

今後は、農泊のような、観光+体験+宿泊のような組み合わせもでてくるかもしれません。日本人のみならず、外国人が日本の田舎にステイして、養豚場の作業体験をするファームステイもありえます。夜は当然豚シャブや豚カツなどの豚料理を中心に、田舎の特産物なども提供されるでしょう。農泊などは、大手農場よりも庭先養豚のほうが都合がよさそうです。

 

生産農家にとって豚を出荷することが収入のメインとしても、儲けどころは一つではありません。いろいろなビジネスチャンスがあります。豚価が大幅に下がる時代がきても、上記のような副収入がある養豚場は生き残っていけそうです。その場合、養豚場は生産農場というよりも、実験農場という位置づけになるかもしれません。

 

 

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休むことも仕事のうち

養豚関連産業に従事している黒木です。

 

生き物を扱っている養豚業界では、なかなか連続した休みを取ることは難しそうです。1週間ぐらいの連続休暇を申請すれば、罪悪感すら覚えるかもしれません。

 

しかし、連続休暇を取ることは、非常に大事だと思います。自分がとることによりこれから続く後輩も、有給休暇を取りやすくなります。1週間の連続休暇を取り、国内や海外への旅行、実家への帰省など、いろいろと実現できるでしょう。何もしなくてもいいでしょう。この養豚場では連続休暇が取れるという事実が重要なのです。

 

休むことも仕事のうちです。しっかり休める職場であることは、アピールポイントになります。長期休暇を取得し、リフレッシュすることは本人のためでもあり、後続のためでもあります。

 

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